災害論 ― 安全性工学への疑問

災害論
目次
まえがき

第1章 自然の合目的性について
1 自然に内在する目的性はない
2 自然における神の意志
3 種の創造と保存
4 自然の合目的性は比喩である
5 因果性と偶然
6 三陸津波の教訓

第2章 原子力発電のコスト
1 原子力発電のライフ・サイクル・アセスメント
2 核融合技術開発へのメリット
3 予防のコスト
4 期待損害以下という基準

第3章 確率論的合理性の吟味
1「合理的な期待」とルイス
2 竹内啓『偶然とは何か』を読む
3 パースの偶然論

第4章 「安全」と「安心」の底にあるもの
1 国家と安全
2「完全義務」と「不完全義務」
3 安心の二つの見方
4 安全の情報依存性
5 自然主義の破綻、歴史のない自然はない
6 技術の歴史性
7 高レベル放射性廃棄物の処理

第5章 過失責任と無過失責任
1 故意、過失、無過失責任
2 予見可能性と責任
3「原子力損害の賠償に関する法律」
4 無過失責任と確率論的安全評価

第6章 「原子力ムラ」の存在
1「レトリカルな主張」とハザード・マップ
2 公聴会の報告
3 テクノ・ファシズムとテクノ・ポピュリズム
4「原子力報道を考える会」
5「原子力ムラ」の信条
6「アテネ型民主主義だからあぶない」

第7章 国家と原子力
1 特別保護区としての電力・原子力
2 事故調査委員会
3 国家間パワーシフトとしての原子力産業

第8章 情報とコミュニケーション
1 原子力発電所事故とリスク・コミュニケーション
2 楽観的情報と悲観的情報
3「もんじゅ事故」の際の情報方針
4 情報の三つの形
5「日本ではチェルノブイリ発電所事故は起きない」

第9章 原子力問題に関する国民的な合意形成は可能であるか    
1 未来世代への責任
2 国民的な合意形成への科学者集団の寄与
3 足して二で割るから五〇点
4 未来世代への危険
5 国民の理解度
6 リスクと同意
7 専門性と外部性
8 間接民主主義の擁護論

第10章 復興の倫理
1 災害からの立て直しについて
2 積極主義の必要
3 大規模開発と私的所有権
4 徳論の観点から見た災害と復興

参考文献
あとがき
初出一覧
人名・書名・作品名索引/事項索引

加藤 尚武 著
本体1,800円(税別)
2011年11月発行
四六判/216頁
ISBN978-4-7907-1541-2
「絶対安全」と言われたフクシマ原発事故の原因は、技術体系と責任制度のミスマッチにあった。技術の暴走はなぜ起こり、どうすれば止められるのか。原発事故の原因究明から復興の倫理まで、未来世代への責任という視点から原発問題を考える。

現代哲学叢書


「天声人語」で紹介されました

「哲学者加藤尚武さんの『災害論』は言う。10年に1回生じる10億円の損害には耐えられる社会も、100年に1回生じる100億円の損害だと立ち直れないかも知れない。……原発事故に確率論はあてはめられない、と」(2015年5月21日付「朝日新聞」)

話題書と新着情報 (2015/5/21更新)

朝日新聞・日経新聞で紹介されました

『朝日新聞』(2012年3月11日読書面)「ニュースの本棚」(杉田敦氏)で紹介されました。
また、『日本経済新聞』(2012年3月11日読書面)の「半歩遅れの読書術」(野家啓一氏)で紹介されました。

話題書と新着情報 (2012/3/12更新)

朝日新聞「今年の3点」に

書評委員お薦め今年の3点(上丸洋一氏推薦)に選ばれました。「今後の議論の出発点におきたい1冊」(『朝日新聞』2011年12月25日(日)読書面より)
朝日新聞デジタル

話題書と新着情報 (2011/12/27更新)

読売新聞に書評が載りました

「まさにこうした本が読みたかった。震災、原発事故でこんがらがった糸がすっきり解かれていくようだ。」(評・横山広美氏『読売新聞』2011年12月11日(日))
以下のサイトで全文をご覧になれます。
YOMIURI ONLINE

話題書と新着情報 (2011/12/27更新)

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